熊野古道にある牛馬童子
和歌山県の熊野と呼ばれる地域は、昔からめはり寿司や、さんま寿司、さば寿司など、コメの食文化が豊かな地域です。当然、昔は地域で作られたお米でこれらの料理は作られてきました。
しかし、現在では県外産のブランド米に押され、地元の農家さんがお米を作っても大変な作業のわりには、その苦労が報われないという状態です。
「熊野米プロジェクト」は熊野の地で作ったお米を見直し、郷土料理を地元のお米で作って食べようという、お米の「地産地消」をする活動です。
こしひかり(左)/ひかり新世紀(右)
栽培に精を出す生産農家さん
「熊野米プロジェクト」は平成22年9月30日に国の「農商工連携」事業として認定を受けました。
「ひかり新世紀」という米の新品種を梅の調味液を使って抑草し、化学肥料を減らして栽培をしています。この「ひかり新世紀」は99%がコシヒカリの遺伝子を持ち、コシヒカリよりも稲の茎の長さが約20センチ短いのです。そのため耐風性が強く、台風が多い熊野の地域でも育てやすいというメリットがあります。
この「熊野のお米のブランド価値を高めたい」という想いを共有してくれる農家さんを1軒ずつ探し、そして当店がフィルターとなってお米を食べるお客さんと顔が見える生産農家さんをつなぎたいと思っています。
収穫される熊野米
精米した熊野米
熊野米は、平成22年に5トン実験的に作られたのが最初です。平成23年は見込みが25トンを見込んでいましたが紀伊半島を襲った台風25号の被害が大きく、その半分ほどの収穫量でした。平成24年は30トンほどの収穫を目指していて、これが一般の皆様に食べていただける最初の熊野米となります。
「熊野米プロジェクト」は、この熊野米が、熊野の食文化全体のブランド価値を高められるようなきっかけになることを目指しています。